2005年4月号 月刊シニアビジネスマーケット(P.34〜35)に掲載
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「生涯学習のユーキャン」として数多くの通信教育講座を展開する(株)日本通信教育連盟(東京都新宿区)が行った2004年度の生涯学習のアンケート調査結果によれば、「生涯学習を始めたきっかけ」を「時間的余裕ができたから」と答える人は全体で5割を超え、とくに50歳代以上のシニア層ではその割合が多い(図表1)。 かける費用でも、全体平均が月額5288円のところ、50歳台以上は6000円を超え、60代以上では7525円でシニア世代に時間的・金銭的な余裕があることを裏付ける結果となっている(図表2)。
また、「生きがい(人生を豊かにしてくれるもの)」の問いには、50、60代は「家族との日常生活」を筆頭にあげ、「友人との交流」「生涯学習」がほぼ同数でそれに続く(図表3)。 「来年(2005年)受講してみたい講座」は、50、60代では趣味として定着している園芸に続き、パソコン入門やデジタルカメラが多く、デジタル家電など新しいものへの関心が高いことも伺える(図表4)。
これらの新しいものへの意欲、人との交流への関心の高いシニアにアプローチするサロン事業の実際を、ベンチャー、老舗、大手企業の新規事業の3者に取材した。
「超初心者向け」と銘打って、シニア層を積極的に集客しているのが、(有)マミオン(東京都新宿区)が運営するパソコン教室「パソカレッジ」だ。 操作法を教えるよりも、パソコンを使うことの楽しさを伝えることをコンセプトにしている。
同社は(株)ヒューマンパートナーズ(東京都新宿区)の共育推進事業部でパソカレッジ事業を統括していた森万見子氏が2003年5月、同社より業務上譲渡を受けて独立した。 現在、教室は直営で目白と高田馬場の2校、FCで3校を展開。直営2校での受講者数は約500名。男女比は、7対3で女性が多い。平均年齢は男性65歳、女性57歳となっている。
大きな特徴は、個別指導のフリータイム制(一部コースによって異なる)で、受講者一人ひとりが自分のペースで進められる点にある。 共通テキストのほかに、手作りの教材が数十種類も用意され、受講者各自の目的に応じたものが使用される。
授業は、インストラクターが各自の作業をみながらアドバイスしたり、個別の質問に応じるスタイルで進められる。 音楽CDの焼付けをする人、デジタルカメラの画像でポストカードをつくる人など、受講者がしていることはバラバラ。 飛び交う質問内容も各人各様で、インストラクターが即答できないこともある。その光景は教室というより、まさにサロンで、パソコンで何かをしたい人が三々五々集まって、自由に好きなことをして帰っていく雰囲気だ。
授業の進め方について、代表取締役社長の森万見子氏は語る。「確かに手はかかります。でも、受講者が自分でやってみたいと思うことができないとつまらないし、理解できない、覚えられないということになる。 当校では受講開始時にまず、いろいろな作品をお見せしてパソコンでできることを説明し、具体的な目標を決めてもらいます。そして、基本的な操作方法が理解できたら、すぐ作品づくりにとりかかります。やりながら覚えてもらうのはインストラクターには大変ですが、受講者の方にとっては一番だと思います」
また、受講者同士の交流を深めてもらうことを目的に、年に4回、季節ごとにイベントを開催。 デジタルカメラの講習会を兼ねた小旅行「デジカメ遠足」や参加者の前で組み立てて見せる「自作祭り」、「デジカメ写真展」などが行われ、サロン的な要素をより強めている。
FC展開も積極的に進めたい考えだが、加盟にあたっては、運営の方針に賛同し、受講者への個別対応が可能かどうかを重視しており、これが意外に高いハードルになっている。 FC側の負担は、図表6のとおりで、自宅の一角などを使った地域密着型の小規模な教室でも採算が取れるプランだが、経営面よりも継続的な個別指導の実施が負担になるようだ。
また、同社内に調査・研究・コンサルティングを行う「ユーザビリティ研究所事業部」があり、シニア向けにサービスを行う企業に対する商品開発企画やウェブコンサルティングなどを手がけている。 そうした取り組みを踏まえて、現代のシニア層を「遊ぶことや学ぶことに対し非常に意欲的で、今を楽しむ若者の延長戦にある」ととらえ、「心20歳、大歓迎! イマドキのオトナのための遊び! 学び! 情報のホームページ」というコンセプトの情報サイト「放課後倶楽部」開設。 ここでも会員制を採用し、ネット上でのコミュニティづくりを進めていく。